進化するのではなく後退するとき

昨日、香港にて国家安全法が施行され、香港の一国二制度は事実上の終焉を迎えました。

もうすでに、「国家転覆罪」で多数の逮捕者が出ています。逮捕されている理由は、「香港独立」と書かれた旗を持っていたり、「香港独立」と叫んだことが理由。

香港に、集会の自由や、言論や表現の自由はもうないです。

私が出入りしていた香港の SOHO にあるバーは、民主活動家たちの隠れ家的拠点でした。夕方になるとみんな集まってきて、色んな話をしていた。

昨日からこのバーでも、民主活動家解散宣言が出されています。もう、集まって飲んだりできない。逮捕されるから。 香港の中国化は、わかりやす言えば「後退」です。 発達段階的にみると、全体主義や言論の自由を許さない共産主義は、民主主義よりも低い進化ステージにあります。イメージ的には小学5年生。

一方、基本的人権や言論の自由が保障されている民主主義は、高校1年生くらいなイメージ。 香港は歴史上、比較的発達段階が高い国であるイギリスの統治下にあり、そのお陰でほぼ欧州と同等の自由を満喫してきました。 私が日本よりも香港の方が快適だと感じる理由も、恐らくそこにあると思います。イギリスの影響を強く受けている香港は、日本に比べると革新的で、空気感が解放的なのです。 それが、国家安全法が施行されたことで、事実上、高校1年生が無理やり小学5年生のレベルまで引きずり降ろされてしまった。 小学5年生(中国共産党)からしてみれば、高校1年生は脅威なのです。自分たちが理解出来ない振る舞いをするし、危険だから取り締まらなくてはならない。 通常であれば、発達段階が高い方が低い方を導くのが妥当でしょうけど、問題は、発達段階が高い方よりも、低い方が人口的に多いということ。多数決の原理なのです。 中国の中でも、進化している人々は、勇気を持って共産党に盾突き、批判したり、風刺したりしてきました。しかし、それを軍事力を持って制圧したのが天安門事件です。あれ以来、中国はどんどん「幼稚化」(退化)していきました。 香港の中でも、中国政府寄りと香港独立派に真っ二つに分かれています。未熟な人たちは「長いものに巻かれる」「事なかれ主義」を選びますが、しっかり成熟している人は、理不尽なことや正義でないものに対して、毅然と立ち向かうだけの強さを持ちます。

今回の香港における国家安全法の施行は、香港の進化・拡大を著しく妨げる後退現象で、大変憂うべき出来事です。


世界中から中国共産党に対して批判が巻き起こっていますが、残念ながら、当局にそれを思慮するスペースはないでしょう。


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