• Akiko Momose

持ち家信仰を持たない私

私の両親は、昭和の時代の価値観で人生を全うできた最後の世代になるのではと感じています。


過去5年間の世界の動きはすさまじく、今年2020年に「変化」の波は決定的になりました。つまり、これまでの古い時代の生き方や価値観は明確に終焉を告げたということです。


私の父は「持ち家信仰」がとても強い人で、長男であるにも関わらず、30代で自分の土地を購入して自宅兼店舗を建てました。それが父の人生でもっとも大切なことだったのです。


自分が最後にこの世を去るときに、「何を残せたのか」ということを「物質的」なもので測る価値観の人です。


私は父とは正反対で、「持ち家」や「土地家屋」を持ちたいという願望が一切無い人です。 20歳~42歳の約20年間を日本以外の場所で過ごしたこともあり、「安定志向」とはほど遠く、その時々のライフスタイルに応じた「家」に住んで来ました。最近改めて数えてみたら、実に20件以上の物件で暮らしてきました。


私の場合は、その時々で「住みたい国」も大幅に変わってきたので、とても一つのところに家を建てて(買って)、35年もローンを支払うような生き方は合わなかったのです。


私にとって、35年もの長きに渡って「同じ場所」に暮らし、「同じ職場」で働き、「同じ生き方」をすることは、到底不可能なこととしか思えなかったのです。


46歳まで生きた今わかるのは、「住みたい家」は、年齢や人生のステージによって変わるということ。

独身の時に住みたい家、パートナーと共に住みたい家、子供たちが小さい時に住みたい家、子供が巣立って老夫婦だけになった時に住みたい家は、それぞれ全く違う。だから、その時その時の状況に応じて、手ごろな家に住めばいいというのが私のスタンスです。


最後に働いた香港の会社で私の上司だった人は、私よりも10歳も年下のゲイの男性でした。彼は30歳になったばかりの頃、不動産価格が青天井の香港で、マンションを買いました。香港と日本の住宅事情はまったく違いますが、日本でいうところのいわゆる「マンション」です。


そして、その頃から「守り」の生き方しかしなくなった。


彼にとって「ローンを支払える」ということが何よりも大切で、リスクを取って何か新しいことにチャレンジしたり、新しい可能性を模索したりすることはしない。

ローンを組むということは、「守り」の生き方へシフトすることだと、私は思っています。


不動産(家)さえ持っていれば安泰だという気持ちは、理解できます。でも今は、そのような生き方が通用する時代ではなくなっていると思っているのです。


これから先のことは見通せません。2020年が私たちに与えた恩恵は、すべてはたった数か月の間にこれほどまで変わってしまうのだという、「安定と無変化」の時代に生きてきた私たちの目を覚まさせたことだと思います。


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