• Akiko Momose

人間関係の境界線を明確化する

自分なりの「人間関係の境界線」を明確化しておくことは、人生を生きる上で、とても重要です。


言い換えれば、どういう人と付き合ってどういう人とは付き合わないのか、自分の中に明確な基準を持っておくということです。

その基準は人によって大幅に違うもので、他者の基準を自分に当てはめてもダメです。「自分なりの基準」を明らかにする。それが人間関係の境界線を明確化することで、境界線を守って生きると人生の質が上がり、自分の幸福度も上がっていくのです。


多くの人は、「好きな人」たちと付き合って、そうでない人とは付き合わないと思うかもしれません。それはそれで一つの基準ではあるのですが、「好き同士」でも相性が悪いことなどはザラにあります。

また、自己否定が強かったり、自分の癒しが進んでいないうちは、自分にとって害となる人たちに憧れたり、惹かれたりするものです。自分の中にある羅針盤が狂っているので、正常な判断を下すことが出来ません。


人間関係の境界線を明確化する上で、参考になりそうな私の経験をシェアしたいと思います。

今から10年以上前、私はまだまだ未熟で、私という人を尊重してくれない人たちとも親しい友人づきあいをしていました。

香港人のBちゃんはとても良い子で、私は大好きでした。ある時Bちゃんが、食事の席で私に日本酒を勧めて来ました。私はお酒を飲まない人ですが、中でも日本酒が大嫌いなのです。

「ごめん、Bちゃん、私、日本酒大嫌い」

と言って即座に断ったのですが、Bちゃんは「えーっ」っと言って傷ついた顔をしたまま、差し出した盃を引っ込めませんでした。そのまま私を見続けるので、「ほんと、ごめん。日本酒は飲めない」と、二度、断りを言いました。


Bちゃんは私に「おいしい」日本酒を飲んで欲しかったのでしょうけど、それは私の為ではなく、Bちゃん本人の為なのです。

もしもBちゃんが心から私のことを大切に思ってくれているのであれば、「私が大嫌いな」ものを、飲んでくれと懇願することはしないでしょう。私の意志を尊重してくれるはずです。


Bちゃんはしぶしぶ盃を引っ込めたものの、私の中には、Bちゃんの盃を断ったことへたいする罪悪感や、自責の念が残りました。

これを機に、私とBちゃんは疎遠になっていきました。

同じ頃、私と一緒にバンドをやっていたイギリス人の J は、私に「たばこ一本ちょうだい」とたかることがたびたびありました(そのころは私は喫煙者でした)。

実を言えば、私は他人からたばこをたかられるのが大嫌いで、それまでは嫌々あげていました。あるときに決心し、「もうたばこはあげたくない、欲しければ自分で買ってきて」と言ったところ、J は私を責め始めました。

「たばこくらいくれるのが友達だろ。失礼だよ。俺はバンドの練習場所を提供している、その費用はもらっていない、だから君も俺にたばこをくれるべきだ」

これが彼の言い分でした。

内心私はとても嫌な気分になりました。

彼がバンドの練習場所を提供していることと、私にたばこをたかることとは、本来何の関係もないことだからです。「たばこをあげたくない」という私の気持ちを尊重せず、「べきべき理論」でコントロールしてきたのです。これをされて、いい気分になる人はいません。

この時境界線を侵害された私の怒りは大きく、後々まで尾を引きました。当時は私は自己否定が強く、今ほど自分に自信がありませんでしたから、「たばこをあげたくない私がおかしいのかな」と、何度も自分を疑いました。スッキリしないまま、長い間モヤモヤを抱えていました。

今の私がこの二つの出来事を振り返ったとき、「私って、もともと自分を大切に出来る人なんじゃん」と思うのです。なんだかんだいいつつ、譲れない一線は守っているし、相手に迎合して飲みたくもないお酒を飲んだり、あげたくもないたばこをあげていない。


ただ、当時は自分のやっていることや感覚に、自信が持てなかっただけです。今ならば、健全な自己肯定感があるので、私の意志を尊重しない人ととは一切付き合わないと、自信を持って行動することが出来ます。自分でも成長したなと思います。


もしも自尊心や自己価値感の低い人ならば、相手に迎合し、飲みたくもないお酒を我慢して飲んだり、あげたくないたばこをあげて、いい友達のフリをすることでしょう。


私はもともと自尊心や自己価値感はある人ですが、ただ自己否定が強かっただけなので、そこを癒す必要があったのでした。


自分にとってこれだけは譲れないという人間関係の境界線を明確にし、かつそれを相手に伝えておくことは、気持ち良い人間関係を築く上でとても重要です。


仕事でもプライベートでも、これは譲れないという線を明確にして、付き合う人たちに伝えておきましょう。また、境界線を尊重しない人たちとは付き合わなくても済むよう、自分の癒しを進め、自立性を確立しましょう。


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