• Akiko Momose

ユーモアとジョーク(冗談・ギャグ)の違い

多くの方はあまり意識されていないかもしれませんが、ユーモアとジョーク(冗談・ギャグ)は違います。


前者(ユーモア)は、英語では Witt(機知)とも言われるように、人生経験の厚みから出る上品で優しい「シャレ」のことです。ウィットに富んだ会話ができる人や、人生の難局をユーモアのセンスをもって乗り越えられる人は、人格に深味があります。


後者(ギャグ・ジョーク)は単なる「ダジャレ」の部類で、多くの場合は下品で、聞いている人を不快にさせたり居心地の悪感じさせる波動を持ちます。


昔の寄席や芝居小屋では、本物の芸を磨く芸人たちが切磋琢磨していたもので、彼らが何を磨いていたかというと、「人生の機知(ウィット)」です。これが磨かれれば磨かれるほど、芸が深まる。昔は観客の目も耳も超えていましたから、低俗なダジャレやジョークでは観客を喜ばせることができませんでした。


現代日本のテレビやネットに溢れているのはギャグやジョークの方です。「ウケるかどうか」が面白いことの基準となり、「イケてる・イケてない」で芸を測る。それは厳密に言えば「芸」ではなく、単なる流行りです。


私は、日本の文化が現代に入って幼稚化したと感じています。かつての成熟度を失い、どんどん幼児返りして、未熟な人が増えたと感じています。


フランスでは昔から、ウィットに富んだ会話ができる女性が大人の女性とみなされます。ウィットやユーモアはどこかで学ぶことはできず、一重に人生経験の厚みと、そこにあある人格的な深味から醸し出されるものです。


イギリス文学の「プライドと偏見」に出てくる主人公の女性などは、ウィットに富んだ会話ができる女性の典型ですし、昔の女流作家のサガンも、ウィットに富んだ女性でしょう。


質の高い上品なユーモアには人の心を和ませる波動がありますが、低俗なギャグやジョークは人を不快にさせる要素があります。


この二つは根本的に別のエネルギーです。


© 当サイトおよびブログ記事・画像・ロゴ・商標の無断転載・記載を禁じます。著作権は百瀬章子が所有しています。

​© Akiko Momose All Rights Reserved.

  • ホワイトFacebookのアイコン
  • ホワイトYouTubeのアイコン
  • ホワイトInstagramのアイコン
  • ホワイトLinkedInのアイコン
  • ホワイトSoundCloudがアイコン