• Akiko Momose

人生のシナリオ その1

私たち人間の人生は選択の連続です。その時その時で「何を選択するか」によって、人生のシナリオは無数に存在しています。そのどれを生きても自由なのです。


ですが、無意識で生きている通常の人間のマインドは「こういう生き方しかできない」というモードで固定されています。そのベースとなっているものは不安・心配・恐れです。


私たち人間にとって一番大切なことは「生活を安定させること」で、近代社会においてそれは「安定した収入」を意味します。つまり、私たち人間は無意識のうちに、「安定した収入を得られる生き方」を選び続けているのです。


このことに意識的になれている人は、まだあまり多くありません。


難しい話をわかりやすくするために、この記事でご紹介したジョナの人生を例にとってみます。

スウェーデンに住む写真家のジョナは、21歳になるまで、人口52万人の都市ヨーデボリで看護師になるための勉強をしていました。アパートでの生活は息苦しく、ある時「これは私が望む生き方ではない」と気づきます。


もっと広いスペース、静けさ、のびのびと息ができる場所が欲しい


そしてかつて祖父母が暮らしていた北部の村、人口が11人のグルンチャンへ単身移り住みます。


人生のシナリオ 1


生まれ育った都市ヨーデボリには両親も兄弟もいる。看護学校を終え、無事に資格をとってなんとか職場を見つけることができた。ひとまずは安心。


看護士はくいっぱぐれのない職業だ。これから先も、働き口は見つけられるだろう。手堅い職場を見つけて安定的な生活を送っていれば将来の心配も少ないはず。


けれど気分は沈み気味。あまり気力が湧いてこない。友達はいるけれど、本当のつながりを感じられる人は一人もいない。いつも「自分だけ浮かないように」と気をつけているので、地味に疲れる。


アパートでの生活は息苦しい。こんな狭い空間に、一体どれくらいの人間を詰め込むの?でも、こんな小さなスペースでも、自分の場所があるだけありがたいと思わなくちゃ。


そうこうする間にあっという間に10年が過ぎた。今でもアパートに暮らしている。数年前に出会ったパートナーと、そろそろ結婚を考えている。二人の収入をやりくりすれば、ローンを組んで手ごろなアパートを買えるだろう。贅沢はできないかもしれないけれど、集合住宅でも不満は言えない。


いずれ家族を持つ責任が生じ、子供の成長が歓びとなるだろう。


仮に離婚することになっても、仕事さえあれば何とかなるだろう。生涯かけて看護士を勤め上げ、引退するころには少しは資産もつくれるだろう。


面白味の無い人生と言われればそうかもしれないが、私はこれで十分。


人生のシナリオ 2


「もっと広いスペース、静けさ、のびのびと息ができる場所が欲しい」という心の叫びに従って、大自然の真っただ中へ移住した。


先の見通しなんて何もない。何よりも、こんな辺鄙な場所で収入を得られる仕事なんてあるの?そのことを考えると不安で不安で仕方がない。古い家はボロボロで、酷寒の冬に耐えられない。


だけど、大都市のアパートでの生活に戻りたいかと聞かれれば、答えは No. だ。あんな「生きる屍みたいな生き方」だけはもうまっぴら。


この場所には、私が望むすべてがある。広大な大自然、物音ひとつしない静けさ。ここに来てから数年、私肩の力を抜いて、ようやく息ができるような気がしている


窓の外にはあり得ないほど美しい景色が広がっている。家の中に閉じこもっているのはもったいない。この素晴らしい大自然を満喫したい。


あぁ!「この素晴らしさ」を他の人たちにも伝えたい


私が味わっている感覚、歓び、楽しみを、文章に書いて他の人に届けよう。言葉で言い表せない部分は、写真で見せよう。


そうこうしているうちに、ブログや写真が仕事になり始めた。ようやく少し収入が入り始めた。ずっと欲しかったのドローンを買って、素敵な動画を作成しよう。この場所の良さをもっとよく伝えられるように、クリエイションの質を上げていこう。


あー楽しい!


時にはインスピレーションが湧かなくて、ひどいことが起こって落ち込むこともあるけれど、それも含めてここでの生活はかけがえのない宝物


私は本当に恵まれている。


そのうちに、自分が願うことが次々と実現するというプラスのスパイラルが始まった


両親や兄弟たちがこの村に移ってきた。今は家族で「私のビジネス」を展開している。


2018年にはふと思いついて山の中にコテージを買った。週末気軽に出かけられるコテージを持つことが、長年の夢だった。それがいつの間にか叶ってしまった!


2019年には、村の中に広大な敷地を持つ古民家を買った。


ここはもともと自分の先祖が住んでいた家。今では人手に渡って別な人たちが住んでいたけれど、思い切って「家を売ってもらえませんか」と交渉したら、売ってもらえることになったのだ。


自分がこの現実を生きていることが信じられない。だって、これはまさしくドリーム・ライフだから。ここに来た時には、お金も仕事も見通しもなかったのに、10年後にまさかドリーム・ライフが実現するなんて。もしも当時の自分に会えたら教えてあげたい。


自分が心から愛する土地に住み、先祖が建てた家に暮らし、愛するパートナーと動物たちと、自分たちが食べる野菜や果物を育てながら生きる生き方。


これから先、ずっと後になってこの世を去る時に、「あぁ、なんて素敵な人生だったのかしら」って、愛する人の顔を見ながら思うだろう。


つづく


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